NDクリニックでは、自己脂肪由来幹細胞による幹細胞療法を実施しています。ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴または局所注射で投与。体内を巡った幹細胞が、傷ついた組織を修復・再生する、自己組織を活用した再生医療です。
約60兆個の細胞で構成される私たちの体。その中には、様々な役割を持つ細胞と並び、まだ役割を持たない特別な細胞が存在します。それが「幹細胞」です。
幹細胞は、自らを複製し、そして多様な細胞へと姿を変える力(分化能)を持っています。この力こそが、私たちの体を常に新しく保つ源です。
細胞には寿命があります。幹細胞は、自己複製によって数を増やし、新たな細胞へと分化することで、失われた細胞を補充し、組織を再生します。
今、この幹細胞の可能性が医療の未来を拓いています。
わずかな細胞から、自己複製によって無限の可能性を生み出す幹細胞。その力を借りて、損傷した組織の再生を促す治療が、現実のものとなりつつあります。
慢性疼痛(まんせいとうつう)とは、通常の医療的介入や自然治癒の範疇を超え、長期にわたって持続する痛みの状態を指します。
具体的には、3ヶ月以上痛みが継続し、既存の治療法では十分な疼痛軽減や消失が得られない場合に、慢性疼痛と診断されることが一般的です。
慢性疼痛の発症機序は多岐にわたり、明らかな身体的疾患や組織損傷を背景とする場合と、原因が特定できない場合があります。また、急性疼痛が適切な管理をされないまま慢性化するケースも認められます。
慢性疼痛は、単なる苦痛にとどまらず、患者様の日常生活動作能力を低下させ、精神的な負担も増大させるなど、生活の質(QOL)に深刻な影響を及ぼします。
治りにくい慢性的な痛みに対して、再生医療が注目されています。
再生医療では、幹細胞や成長因子などを使って、傷ついた組織や器官を修復することを目指します。
例えば、幹細胞や成長因子を注入して神経や組織の再生を促したり、細胞外マトリックスで組織を修復したりする方法があります。
中でも、脂肪由来の幹細胞を使った治療は、慢性疼痛に効果があると考えられています。炎症を抑え、傷ついた神経や組織を再生する可能性があるからです。
アトピー性皮膚炎は、本来肌を守るバリア機能が過敏に反応し、慢性的な炎症を引き起こす皮膚疾患です。
現時点では、この疾患を根本的に治癒させる治療法は見つかっておらず、治療の目標は症状をコントロールし、日常生活に支障のない状態を維持することにあります。
一般的な治療としては、丁寧なスキンケアやステロイド外用薬、タクロリムス軟膏などの外用薬による治療、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬の処方などが用いられます。
当院の再生医療では、患者様ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養・増殖させ、点滴によって体内に戻します。
間葉系幹細胞から分泌される成長因子は、炎症を和らげたり、免疫のバランスを調整したりする働きを持つと考えられており、これらの作用によってアトピー性皮膚炎の過剰な免疫反応を抑制し、炎症を鎮めることで、肌のバリア機能が正常に近づくことが期待されます。
日々の食事で摂る炭水化物は、体内でブドウ糖に変わり、血液へと取り込まれます。このブドウ糖を細胞へ届けるために欠かせないのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンです。しかし、インスリンの働きが不十分だったり、ブドウ糖が多すぎたりすると、血液中にブドウ糖が溜まってしまいます。この「血液中のブドウ糖(血糖値)が基準値を超えた状態」こそが、糖尿病です。
糖尿病は一度発症すると、現在の医学では完治が難しいとされています。そのため、血糖値を適切に管理し、病状をコントロールしていくことが非常に重要になります。一般的な治療としては、食生活の見直しや運動を取り入れる生活習慣の改善が基本です。それでも血糖値の管理が難しい場合は、飲み薬やインスリン注射による治療が行われます。
高血糖状態が続くと、血管や神経、そしてさまざまな臓器にダメージが及び、やがて合併症を引き起こします。失明や腎機能の低下、さらには手足の切断を余儀なくされるケースもあり、これは糖尿病の最も恐ろしい側面です。
さらに見過ごせないのが、糖尿病とがんの関係です。実は、糖尿病患者さんの死因の第1位はがんなのです。糖尿病の方は、がんになるリスクが20〜30%も増加すると言われており、特に肝臓がん、すい臓がん、大腸がんのリスクが高いことが明らかになっています。高血糖状態は、がん細胞の増殖を促す要因にもなると考えられています。
これまでの糖尿病治療は、症状を抑える対症療法が主であり、根本的な改善には至っていませんでした。
そこで、新たな可能性を秘めているのが自己脂肪由来幹細胞治療です。この治療は、患者さんご自身の脂肪から採取した幹細胞を活用し、体が本来持っている「血糖値を下げる機能」を修復することを目指します。
幹細胞には、傷ついた組織を修復する優れた能力があります。点滴によって体内に投与された幹細胞は、糖尿病の原因となっているすい臓に働きかけ、その機能の修復や再生を促します。これにより、再び血糖値が正常にコントロールされるようになる可能性があります。また、糖尿病に伴う炎症を抑え、合併症の改善も期待できます。さらに、幹細胞が全身を巡ることで、他の弱った臓器にも良い影響を与え、思わぬ形で健康状態が改善されることも期待できます。
あなたの健康を支える「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓。「肝が据わる」「肝に銘じる」といった言葉があるように、私たちの体にとって肝臓は非常に重要な臓器です。しかし、その重要性とは裏腹に、肝臓は自覚症状が出にくいという特徴を持っています。そのため、異変を感じた時には病状がかなり進行していることが多く、治療が難しくなるケースが少なくありません。
現代社会では、食生活の変化などにより脂肪肝を患う方が増えています。脂肪肝は、肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態ですが、放置すると炎症を起こし、やがて肝臓の線維化へと進行する可能性があります。線維化が進むと肝臓の機能が低下し、最終的には肝硬変や肝臓がんといった命に関わる病気へとつながる恐れがあります。
これまでの肝臓病の治療は、生活習慣の改善が主であり、病気の進行を遅らせる予防的なアプローチが中心でした。しかし、これらはあくまで対症療法であり、損傷した肝臓そのものを根本から回復させることは難しいとされてきました。
そんな肝臓病治療に、新たな可能性をもたらすのが自己脂肪由来幹細胞治療です。この「再生医療」は、患者さんご自身の脂肪から採取した幹細胞を活用し、損傷した肝臓の修復・再生を目指す画期的なアプローチです。
幹細胞には、様々な細胞へと分化する能力と、傷ついた組織を修復し、炎症を抑える優れた性質があります。幹細胞を体内に投与することで、これらの力が肝臓に働きかけます。
もちろん、再生医療を受けた後も、健康な肝臓を維持するためには生活習慣の見直しが非常に重要です。自己脂肪由来幹細胞治療は、従来の治療では難しかった肝臓の根本的な回復を目指す、新しい選択肢となるでしょう。
九州再生医療センター内には、再生医療の要となる細胞培養加工施設Cell Processing Center(CPC)を設置しています。
脂肪由来幹細胞の培養は高度な技術を要しますが、当施設のCPCでは、厳しい品質管理のもと、「高い生存率」と「理想的なサイズ」の幹細胞培養を実現しています。
患者様へ安全で質の高い再生医療を提供するために、国内トップレベルのCPCがその役割を担っています。
提携先細胞培養加工施設(ASメディカルサポート)について詳しくは以下URLよりご覧下さい。
https://as-medical-support.jp/
厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会で、その治療の妥当性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制が厳しく審査され、計画番号を取得した医療施設です。
当クリニックは再生医療分野において10年以上の臨床と研究を重ねたクリニックです。
最先端の医療を患者様にご提供いたします。
患者様本人の脂肪組織を用いて治療を行うため、腹部に局所麻酔後脂肪組織の一部を採取させていただきます。
脂肪組織から間葉系幹細胞を分離し、院内の細胞培養センターにて細胞を培養します。(4週間~6週間)
品質管理検査を実施し、品質及び安全性に問題がないことを確認したのち、再び患者様に来院していただき、院内の点滴室で幹細胞を静脈投与いたします。
西崎 知之(にしざき ともゆき)
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